2010年11月3日水曜日

FUNKOT基礎知識 その壱

日本のネットにおけるクラブ音楽の認知度および、在宅リスナーの方にある程度の影響力を
与えている事が確実であろうDOMMUNEにて、スクラッチ世界チャンプ、DJ HANGERがFUNKOTを
プレイしました。

ここでFUNKOTとは一体何か、というおさらいをしてみたいと思います。

2000年ごろにインドネシアにおいて、DANGDUT(現地の昔からある大衆ディスコ歌謡)とTRANCEから
生まれたのがFUNKOT(FUNKY HOUSE MUSIK)です。

2008年に日本でも「ファンキーコタ」として紹介されたこの音楽ですが、
現地での呼称はFUNKOT、またはINDONESIA FUNKY HOUSE。















バリ島では単純にFUNKYと呼んでいました。

ファンキーコタという呼称も聞かなくはないですが、かなり通じにくくなっていると思われます。
もともとジャカルタの歓楽街、コタ地区で生まれたというのがその呼称のルーツになっているようです。

ここでは現地に習いFUNKOT/ファンコットの呼称で呼んでいこうと思っています。

また当初、自分が紹介したのですが、現場を知らない状態でそれらの音源を聞くと
非常にチープに聞こえたり、西洋的な音楽における常識から逸脱する部分が多いことから
ダサい、スットコドッコイといった形で表現していましたが、現地で体感した経験から、
「これはダンスフロアでかかるために生まれた音楽だ」と確信しました。



非常に生命力の高い、ブチ上がるためだけに作られた究極のダンスミュージックの形のひとつである
と確信し、これはアジア発の21世紀のサマー・オブ・ラブだ、といっても過言ではないぐらいの衝撃を受けました。

あらゆる音楽要素を飲み込み、さらに進化し続ける貪欲さ、そしてDJ達の真剣さに触れ
そういったある種、ネタ的に取り上げる姿勢で臨むということを考えさせられました。
ただ、30曲に一曲ぐらいはやはりとんでもない曲が出てきたりすることも事実ですので、
まぁこれはジャンルにおける愛嬌というものでしょう。そこも含めて非常に面白い音楽だと思います。

FUNKOTにも色々な種類があるのですが、基本的な特徴は独特のビート、高速BPM、ちりばめられたボイスサンプル、洋の東西を問わぬ多岐にわたるREMIX、派手でアグレッシブなシンセサイザーサウンド、とにかく現場の鳴りを考えて作られた中低域を重視した太いベースライン。
また、ダウンビートと呼ばれる曲中でのBPM変化も特徴的です。

またクラシックと呼ばれる古くからある名曲は毎年バージョンを重ねて様々なDJによってREMIXされています。

MIXスタイルはちょうどハウスのそれと同じようなスムースなロングミックスが重視されます。
DJはDJスクールを卒業し、各ディスコなどに専属した職業DJが中心で、
DJ用のセパレートシングルは「飯の種」として非常に貴重に扱われており
一般リスナーが入手することはなかなか難しく、現地人でも事情を知らない人間は手に入らないようです。DJから直接買うのが一般的、または、ハコDJとして、ハコの買い取った音源が支給される、
という入手経路が多いようです。

ただ、その音源統制も最近ではゆるくなり、ファイルストレージ系のWEBにシングルがアップされていることも珍しくなくなっています。
なので、丹念にネット上を探せば入手は可能です。
ただ、シングルの貴重な性質上、ここで「どこそこにある」というのも中々問題がありますし、
違法コピーで刃傷沙汰なんて話も聞いたり聞かなかったりしますし、僕自身もインドネシア人からの
メールのハッキングを受けたことがあるので、公に書くのは難しいと判断します。

アップされる音源はローカルのDJがかなり使い古したものが多く、本当に最新の曲は現地の(それもトップ)DJのプレイでなければ聞くことができません。

とてもローカルなものではありますが、こういった規制や習慣が
現地DJの地位や文化を守るということにもつながっているのかも知れません。

それでも音源が欲しいという方は実は自分は去年の終わりにバリ島で現地DJから販売権ごとセパレートシングルを買ってきて、一応販売許可の下りている音源を保有しています。
ただし、これらはあくまでバリ島のそのDJの押さえている範囲での了承を取ったものですので、
そこまで公に販売していいのか、というのは正直、微妙なところではあります。

ですので、現在はACID PANDA CAFEのみで59曲入りのMP3ディスクを販売しております。

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